古いロッドケースを開けると、懐かしい道具が目に入ります。
コルクグリップのすり減った感じ、節のキズ、色変わりしたスプールが、川で過ごした時間を思い出させます。
初めて手にした自分のロッド、けっして高価なものではありませんでしたが、とっても大切に扱いました。
足元の険しい遡行につまずきそうになった時も身を挺して守った!
という経験は皆さまにもきっとあると思います(笑)
僕は、そのロッドで初めてヤマメを釣った日のことを、今でもよく覚えています。
ですが、そのロッドは今は僕の手元にはありません。
おそらくはどこかの川で、どなたかの新しい楽しみを、素敵な時間を続けて過ごしていると想像しています。
手放すことは、終わりではなく、新しい始まり。
大切に使ってきた道具を、ただクローゼットに置いておくのはもったいない気がします。
それらを次の人に渡せば、僕の思い出が、その人の時間と少しずつ重なっていく。
そんな循環が、フライフィッシングの道具にはとても似合うと思うのです。
僕たちcanvasで大切にしているのも、
それは「リユース=継承」という考えです。
手放したい道具を丁寧に査定し、必要な手入れをして、次の持ち主に橋渡しをする。
それは単なる買取や販売ではなく、釣り人の想いを繋ぐことだと思っています。
これまで何度も、そんなやり取りを見てきました。
道具を託す人の少し照れた表情と、受け取る人の静かな喜び。
道具を通じて、人と人が少しつながる瞬間です。
手放す選択には、少し寂しさはあります。
でも、思い出は心の中に残ります。それと同時に前向きな気持ちも生まれます。
道具がまた誰かの相棒になり、川辺で息づくなら、それはとてもポジティブなことでしょう。
もしあなたも今、
「家族の事情でしばらく釣りから離れることになった」
「新しいスタイルの釣りに挑戦したい」
と思っているなら、ぜひ、僕たちに次の釣り人に届けさせてください。
それは諦めではなく、
フライフィッシングを続けるための、自然で前向きな選択です。
道具たちが、次の持ち主のもとでまた活躍してくれる事を信じて。